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2012-06

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〈サントーム〉への移行(初稿) - 2012.06.06 Wed

日本の歴史を振り返ると、1970年の万国博が大きかったと言うことが分かります。ここで終わっている。この事を次回の最後のアートスタディーズでは取り上げたいと思っています。
7月9日に開催します。

では、この1970年以降の混乱の時代は、どこに移行したのか?

それは《現実界》から〈サントーム〉への移行でした。

〈サントーム〉への移行の象徴的なものが1971年のニクソンショックであったのです。紙幣のドルと金の兌換を否定することによって、人間の経済関係が、物質的な根拠を失ったのです。この状態によって、すべてのものが市場に移行したと言えます。

人間の関係というのは、原始社会における血縁関係から形成されています。同時にこの自然採取の原始社会で、物々交換が、沈黙交易という形で始まっているのです。この原-市場の発生は、血縁集団のコスモスとコスモスの間から発生しています。つまり血縁集団そのものは原始共産制の状態で、内部においてはブツブツ交換すらが行われていないものであって、交換は一つの血縁集団と、もう一つの血縁集団が出会って、しかし距離をとって交わることの無い沈黙の内に行われていたのです。

つまり交易そのものが、コスモスの外部であるカオスから生まれているのですが、1971年以降は、この交易という市場が、実は社会を構成するものとなって、本来の血縁集団のコスモス(秩序)を社会の構成の上部構造から排除して、内部構造に反転させたのです。
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New HIKOSAKA 彦坂尚嘉

Author:New HIKOSAKA 彦坂尚嘉
彦坂 尚嘉(ひこさか なおよし、1946年6月26日 - )は、 美術家。立教大学大学院特任教授。日本建築学会会員。日本ラカン協会会員。気体分子ギャラリーを主催。

【著書/出版】『反覆/新興芸術の位相』(74年、田畑書店)、『死に対抗する力』(91年、ギャラリーKURANUKI)、『リノメランコリア』(94年、岡部版画工房)、共著『リベーションの現場』(05年、彰国社)、共著『メディアと精神科医』(05年、批評社)。共著編『皇居美術館空想』(08年9月朝日新聞社)。『彦坂尚嘉のエクリチュール』(08年、三和書籍)、共著『3・11万葉集 復活の塔』(2012年、彩流社)

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