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橋下徹、松井一郎 市長・府知事選後会見(1~12) - 2011.12.01 Thu

南相馬へ行っていた関係で、反応が遅れましたが、書きます。

橋下徹らの維新の会が大阪のダブル選挙を勝利しました。

私は、橋下徹に共感していたし、支持していたからこそ、用心深くなっていて、落選の可能性も考えて、このブログにも危惧を書きました。しかしこの心配が杞憂に終わったことは喜ぶべきものです。



それは私が小沢一郎を支持してきた事に似ています。小沢一郎をめぐる多くの失望は、一つはアメリカを敵にしたことからの攻撃の激化故ですが、もう一つは小沢自身の内部にもその限界はあったのです。それに比べると橋下徹の賢明さは、優れているように見えます。このブログにペーストしたYouTube画像が示しているように、とりあえず国政には参加しないという橋下徹の姿勢は正しいものです。



現在、世界的に拡大している国家信用危機は、各国の財政が大量の赤字を抱えてきている故のものです。この赤字は何によって生まれ、そして拡大してきたのか?
近代国家=国民国家という大きな枠組みが、制度的に賞味期限を過ぎてしまったのです。大量の官僚たちの支配と、彼らの《怠惰》《怯懦》《惰性》が積み重なって、しかも金を大量に無意味にばらまき垂れ流す愚かな政策が、日本だけではなくて、ヨーロッパでもアメリカでも、そして中国でも展開して、世界中が危険な水位になって来ているのです。その根底には、近代国民国家というシステムの制度疲労があるのです。

ですから大阪地域に執着する維新の会というのは、単なる地方政党というものでは無くて、国民国家の枠組みを解体する攻撃性のある、新しい勢力の登場なのです。



私が良いと思う政治家は、日本社会に作動している《日本主義》は弾圧してくるのですが、それは日本の官僚制度やアメリカ支配を敵にまわすからなのですが、しかしもっと根深い日本の内部にある停滞、それは《怠惰》《怯懦》《惰性》という3大ダのアジア的な国民国家の停滞が生み出しているものなのです。

こうした《怠惰》《怯懦》《惰性》という近代国民国家の日本主義がいつから生まれたのか?ということを考えると、それは近いところでは1990年代の失われた10年から、内向きになった日本社会の、リスクを避けようとする姿勢が生み出したように思います。
これについては『リスクに背を向ける日本人 』(講談社現代新書)という本がよく分析していました。




しかし歴史をさかのぼると、戦後の日本社会というのは、実は戦前の1940年代にできたシステムで作動してきたものだという分析に突き当たります。それが野口悠紀夫の『1940年体制』という本でした。

私自身がアートスタディーズという勉強会で、追及してきたことも、20世紀という区分で日本を見ることでした。つまり戦前戦後という2つの区分で見るのでは無くて、戦前戦後を連続して歴史としてみた時に出現してくる近代国民国家としての日本社会の構造と、そこにおける日本的な感性の問題でした。




詳細な分析をはぶいて、結論だけを言えば、大きなターニングポイントは1935年の「国体明徴声明」に有ったと思います。それは明治維新の時期の文明開化による、欧米の社会の模倣から始まった近代国民国家としての日本社会が、近代化を進めていたかのように見えて、その模倣の近代化を、次第に崩して、本来の原始的な呪術的なる《日本主義》に押し戻すことによって、原始国民国家としての一つの有機体として統合された社会を作り出した。つまり大政翼賛会的なるものとしての《日本》の出現です。そこには統合された統一性への圧力があって、多様性が抑圧される構造が作動しているのです。

これを実質的に成立させたものは、内務省を中心に展開された大政翼賛会の組織化でした。この内務省は敗戦時に米軍によって解体されたのですが、その官僚たちは実は復活していて、戦後のレッドパージの時に戦後官僚組織の中に再吸収されたのです。

わかりやすく言えばファシズムという全体主義の構造が、《日本主義》の内実なのですが、これが西欧の近代国家を模倣して始まって、それを原始的なものへ退化させることで完成するという婆娑羅(ばさら)の過程をたどったのです。

婆娑羅(ばさら)については、上林澄雄の『日本反文化の伝統―流行性集団舞踊狂の発生根拠としての 』(エナージ叢書 1973年)が優れています。






論証抜きの走り書きで、このような日本社会の輪郭を書かれても、多くの読者には納得はいかないでしょうが、彦坂尚嘉という一人の美術家が、日本社会というものを対象化して向き合う努力は、それなりの犠牲に上に展開してきています。このような思考や対象化の作業は、ほとんどの日本人は嫌うからです。しかし絵画というものは、こうした自己の存在する社会を対象化する努力によって成立するものなのです。つまり一つの社会の中で、インサイダーとして自己形成していくことでは無くて、アウトサイダーとして自覚的にも自己形成していかないと、絵画は描き得ない。優れた画家に見られる透徹性というものは、そういうものなのです。

もっとも社会的に成功したアーティストというのは逆であって、インサイダーとして自己形成していくアーティストです。ヨーロッパで言えば、ティツアーのであり、ミケランジェロです。社会的な成功を追っていけば、絵画はペンキ絵になります。ティツアーもミケランジェロも、絵画としては《第6次元 自明性領域》のペンキ絵なのです。



話をもどすと、吉本隆明が繰り返し問題にしたアジア的な停滞というのは、彦坂尚嘉的には、この大政翼賛会的な、日本社会の統合性、統一性なのです。

私は、一つの社会というのは、もっと多様性を認め、ばらばらな自由を許容した方が活力有る社会になると思います。

「赤信号みんなで渡れば怖くない」というビートたけし的な統合性は、日本社会を停滞と保守の中に沈めるということに結果するのです。それはカルト的な集団自殺に結果します。

アメリカとの戦争という太平洋戦争というものは、日本が国家神道というカルト宗教集団化した結果の集団自殺の行為であったのです。

敗戦では、しかし天皇は拘束もされなかったし、死刑にもなりませんでした。国体は護持されたのです。そして戦後の日本は、現在も天皇制を継続しています。それは国家神道というものを、ネガティブにではありますが現在も継続していると、私には見えます。

その信仰形態が、日本の原発は安全であると盲目的に信じる結果になっていたのではないでしょうか。

つまり原発安全神話に見られる意識の狭さこそが、戦後の国家神道と言えます。実際に、原発をアメリカから導入して、それを絶対に安全として推し進めたのは、戦前の内務省特高警察にいた読売新聞の正力松太郎でした。

内務省というのは、国家神道をつかさどる役所でしたから、この正力の原発をめぐる謀略のすごさというのは、実は国家神道の形成と地下水のようにつながっている力であったのです。




さて、歴史的に形成された、近代日本の原始化である婆娑羅の《日本主義》を破壊する必要があるというのが、現在の情報革命なのです。情報革命を受け入れようとすれば、もっと多様な活力を認めないと、日本の中から世界に通用する発明発見も、芸術も、そして外交のできる政治家も生み出せないでしょう。

そういう時に、橋下徹の出現は、日本の未来への可能性を切り開くものでした。
今回の選挙は、革命的であったのです。
2010年代というのは、変動の時代なのです。
大阪都構想は、名古屋に、新潟へと拡大して、平成維新は現実化への歩みを始めたのです。

それは同時に日本の美術の変動をも招くでしょう。









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New HIKOSAKA 彦坂尚嘉

Author:New HIKOSAKA 彦坂尚嘉
彦坂 尚嘉(ひこさか なおよし、1946年6月26日 - )は、 美術家。立教大学大学院特任教授。日本建築学会会員。日本ラカン協会会員。気体分子ギャラリーを主催。

【著書/出版】『反覆/新興芸術の位相』(74年、田畑書店)、『死に対抗する力』(91年、ギャラリーKURANUKI)、『リノメランコリア』(94年、岡部版画工房)、共著『リベーションの現場』(05年、彰国社)、共著『メディアと精神科医』(05年、批評社)。共著編『皇居美術館空想』(08年9月朝日新聞社)。『彦坂尚嘉のエクリチュール』(08年、三和書籍)、共著『3・11万葉集 復活の塔』(2012年、彩流社)

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