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自殺した美術家の作品に見る崩壊 (3)・・・ロッソ・フィオレンティーノ - 2011.12.10 Sat

ロッソ・フィオレンティーノ(Rosso Fiorentino 、1495年 - 1540年)はイタリア出身の画家で、後期ルネサンスのマニエリスムの時期の美術をフランスに伝える役割を果たした画家であります。」

ヴァザーリの名将列伝の中で書かれている作家の一人です。フィレンツェの生まれで、はじめ、同じマニエリスムの巨匠であるポントルモと同じ工房で修業しました。1524年ローマに移住し、ローマからヴェネツィアを経て、フランスに赴き、フォンテーヌブロー城の改築に関わります。

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 この唯一ヴァザーリによって自殺した作家と書かれています。自殺したと言われるのは46歳ですが、当時ロッソ・フィオレンティーノは、名声が高く、多くの注文をこなしている成功した大作家なので、何故に自殺をしたのか?と言う疑問がわきます。
 
 次の作品はロッソ・フィオレンティーノの『十字架降架』(1521 ヴォルテラ美術館)です。この絵画は、彦坂尚嘉の芸術分析では、《超次元》~《第51200次元》まである作家です。《第51200次元》というのは、この宇宙の外部に出た意識なのですが、ここまで超多層の内的な世界を持つ人は、実は非常に不安定なのです。その不安定性が、自殺を生み出したと思います。 

Rosso Fiorentino. Deposition. 1521ブログ

その細部を見ると、マリアにしても、脇の人物でも、その表情は、たいへんに優れた感情豊かなものです。

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作品を見ると、その表現は、盛期ルネッサンスのレオナルド・ダ・ヴィンチの『ジネヴラ・デ・ベンチの肖像』のような能面の様な表情とはちがって、悲しみや絶望を激しく描き分けているものです。

レオナルド・ダ・ヴィンチの絵画は、彦坂尚嘉の言語判定法でのアートの格付けでは、《超次元》~《第50次元》までしかありません。これは実は小津安二郎の映画の、抑制された世界と同じ幅のアートの格付けなのです。つまりそれは、第51次元以下の人間の下品で下等な心的次元を切り捨てて抑圧した世界なのです。

ginevraブログ
レオナルド・ダ・ヴィンチ『ジネヴラ・デ・ベンチの肖像』
レオナルド・ダ・ヴィンチの《超次元》~《第50次元》に比較すると、格段に幅の広い超多層な芸術表現なのです。


 ロッソの髪の毛は赤くて、風貌は上品で、態度は真摯で、慎重で、しかも賢明であったということです。ロッソの作品は絵画だけではなくて、インテリアデザイナーとも言うべき総合的な美術ワークで、高い評価を受けたのです。
 しかし有名な美術家となっても、自分の気性を制御できなかったようです。殴り合いのけんかをする激しさがあったのです。友人との激しい喧嘩は、友人が盗みを働いたという間違った判断であったためで、それを恥じて毒をあおって死んだのです。

 この無謀なまでの激しさは、《超次元》~《第51200次元》までを描く人物だからです。芸術絵画の構造は、実は画家の人格の構造と深く連動しているので、この絵を描いた人物の顔には、同じく《超次元》~《第51200次元》が有るはずです。
 ということを手がかりにして、ロッソ・フィオレンティーノの描いた人物像を探して、彦坂尚嘉が自画像では無いかと推察するのは、次の絵画です。

 rosso-fiorentinoブログ


 さて、彦坂の推理が当たっているかどうかは分かりませんが、とにかく《超次元》~《第51200次元》の顔を持っている人物は、《第51200次元》という宇宙の外部に出ているまなざしを持っているせいか、不安定で自殺や自滅をする傾向があるように思えます。

 実例をあげると、一人は漫才の横山やすしです。彼は自殺ではなくて死因は「アルコール性肝硬変」でしたが、51歳の若さで自滅的な死を迎えています。この横山やすしの天才性は、彦坂尚嘉のアートの格付けでは《超次元》~《第51200次元》であって、それ故に不安定であったと考えられます。

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 もうひとりは落語家の2代目桂枝雀です。上方落語界を代表する人気噺家となっていましたが、1999年3月に59歳で自殺を図り、意識が回復する事なく4月19日に心不全のため死去しています。この人の芸はすばらしいのですが、この人も《超次元》~《第51200次元》であって、それ故の不安定さが自殺にいたったように思います。

もう一人《超次元》~《第51200次元》の顔を持つ人物をあげると、ジャクソン・ポロックです。

pollockブログ

もっとも《超次元》~《第51200次元》の人格を示す人物だからと言って、かならずしも自殺するわけではありません。実例を一人挙げると「ソウルの神様」と呼ばれたレイ・チャールズです。

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レイ・チャールズは、盲目のリズムアンドブルースの黒人歌手ですが、75歳で天寿を全うしています。もっとも20年間にわたって麻薬を常用していて、1965年に3度目の逮捕後、ロサンゼルスの更生施設に入所、ヘロインを絶つことに成功しています。つまり麻薬を常用していたという意味では、才能に満ちた《超次元》~《第51200次元》の人物というのは、やはり極度に不安定な人格であるといえるかもしれません。

さて、レオナルド・ダ・ヴィンチを超えているマニエリズムのアーティストの価値を再評価すべきであるとおもうので、最後に自殺したというロッソ・フィオレンティーノの残した《超次元》~《第51200次元》の絵画を紹介します。

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● COMMENT ●

いつもパリから興味深く読ませて頂いています。ロッソ・フィオレンティーノのことは知りませんでしたが、確かにフォンテーヌブロー城の回廊の透明で静寂で表情豊かな美しさは、まるで異次元に浮かんでいるような、誰かの心の中に入ったようなとても特別な感覚でした。

Re: タイトルなし

> いつもパリから興味深く読ませて頂いています。ロッソ・フィオレンティーノのことは知りませんでしたが、確かにフォンテーヌブロー城の回廊の透明で静寂で表情豊かな美しさは、まるで異次元に浮かんでいるような、誰かの心の中に入ったようなとても特別な感覚でした。

コメントありがとうございます。フォンテーヌブロー城に言ったことがないので、ぜひ、行ってみたいと思っています。


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New HIKOSAKA 彦坂尚嘉

Author:New HIKOSAKA 彦坂尚嘉
彦坂 尚嘉(ひこさか なおよし、1946年6月26日 - )は、 美術家。立教大学大学院特任教授。日本建築学会会員。日本ラカン協会会員。気体分子ギャラリーを主催。

【著書/出版】『反覆/新興芸術の位相』(74年、田畑書店)、『死に対抗する力』(91年、ギャラリーKURANUKI)、『リノメランコリア』(94年、岡部版画工房)、共著『リベーションの現場』(05年、彰国社)、共著『メディアと精神科医』(05年、批評社)。共著編『皇居美術館空想』(08年9月朝日新聞社)。『彦坂尚嘉のエクリチュール』(08年、三和書籍)、共著『3・11万葉集 復活の塔』(2012年、彩流社)

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