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人間精神の3界、あるいは4界について - 2012.03.21 Wed

ヤスミツさんから、次の様なコメントをいただいた。

「鏡に映った錯覚の世界」
が想像界。
「鏡の中と外があるという錯覚の世界」
が象徴界。
「鏡の世界は錯覚」というのが現実界。
でよろしいですか。


このラカンの3界の話を、このように簡単に書くことは、間違えであることになる。

問題なのは、すべての解説というのは、ある意味での嘘であって、みな、問題がある。

ラカンの解説書を読むと、分かりやすい。
しかしジャック・ラカンの『エクリ』や『セミナール』を読むと、極めて難解で、解説書のような明快さはどこにも無い。つまり、解説書は嘘を書いているのであって、それを信じるのは問題がある。

スラヴォイ・ジジェクの本にしても、おもしろい事はおもしろいが、私は問題が有ると思っている。特に「現実界」という言葉の使い方は、通俗的であって、駄目だと思う。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

彦坂尚嘉の視点は、ラカンの文献学ではないので、私が解説を書いたところで、ラカンの入門にはならない。そもそも私は、ラカンの入門書を書こうとは思わない。

彦坂尚嘉の視点で言うと、たとえば《象徴界》の無い人が存在している。このことをラカンは知らなかった。

その《象徴界》の無い人に向かって、《象徴界》をいくら解説しようとしても、これを理解できるものではない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

まず、《想像界》だが、この《想像界》だけの世界に生きている人がいる。

具体例をあげると分かりやすいのだが、《想像界》だけで、《象徴界》の無い音楽としては、ひとつはU2である。

このU2の音楽をすばらしいと思って聞ける人は、《想像界》だけの人格である可能性がある。




彦坂尚嘉から言えば、このU2の音楽は、《第6次元 自明性領域》で、しかも《想像界》だけだから、極めて通俗であって、おもしろくない音楽なのだが、しかし多くの人は、このレベルの音楽を深く愛しているのである。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

《想像界》だけの歌というものに対して、《象徴界》だけの歌というものがあると、彦坂尚嘉の言語判定法では指摘するのです。

その代表がマリア・カラスの歌唱です。



マリア・カラスの歌が、非常に高い評価を得ている一つの原因は、この《象徴界》だけの音楽であるという極端さにある。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

さて、もう一つ、《現実界》だけの歌唱世界をあげておきます。その代表の一つが、モーターヘッドの音楽です。モーターヘッドが、音楽を現実界に還元しているのです。



《現実界》だけに芸術を還元した初期の代表作は、デシャンのレディメイドオブジェだが、それが音楽になって、しかも多くの聴衆をあつめる商業主義になると、このモーターヘッドのような音楽になるのです。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


さて、もう一つ《サントーム》だけに還元した音楽をあげておきます。ニッキー・ミナージュのラップです。



ラップは、1980年代に登場しますが、前身としては、ジャマイカのトウスティングや、トリニダードのカリプソなどに見られます。異論はあるでしょうが、ボブ・ディランのフォークソングも、歌うという歌唱ではなくて、語り物であるので、ラップの前身であるとも言えます。日本ですと、河内音頭だとか、浪花節などに見られる、語りものなのです。それらは古くはアフリカの黒人音楽に起源をもつと言えるでしょう。そうした語り物が、情報化社会の中で、ラップとして、「真実を語る」という理念を内包して過激な展開を遂げて、《サントーム》の精神を体現しているのです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

《想像界》《象徴界》《現実界》《サントーム》という4界が、このようにバラバラの状態で現れているのは、実は人類の歴史の中では、最近の事であると言えます。

つまりこうした音楽に見られるように、人間の精神がバラバラになって来ているのですが、こうしたことをジャック・ラカンは指摘していません。

今日のこうした現象は、1991年のソビエトの崩壊と、インターネットの登場以後に、極めて鮮明になって来ているものですので、

こうしたバラバラに解体してしる現在の人間の精神状態の中では、いろいろな人がいるので、すべての人に分かりやすく当てはまる説明というのは、無いのです。

では、どうしたらよいのか?





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このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ、だと気づかないようなので。

>《想像界》《象徴界》《現実界》《サントーム》という4界が、このようにバラバラの状態で現れているのは、実は人類の歴史の中では、最近の事であると言えます。

人類ははじめからバラバラだったのではないかと想像していました。昔の偉人?のエピソードを聞いてこの人はある界しか持っていないのではないのかなど感じたりします。最近の射程がいつまでなのかわかりませんが。

船村徹さんの音楽はお勧めです。

Re: タイトルなし

> 管理人のみ、だと気づかないようなので。
>
> >《想像界》《象徴界》《現実界》《サントーム》という4界が、このようにバラバラの状態で現れているのは、実は人類の歴史の中では、最近の事であると言えます。
>
> 人類ははじめからバラバラだったのではないかと想像していました。昔の偉人?のエピソードを聞いてこの人はある界しか持っていないのではないのかなど感じたりします。最近の射程がいつまでなのかわかりませんが。

> 船村徹さんの音楽はお勧めです。

船村徹の、少なくとも自分で歌っているのは《第8次元 信仰領域》だけの音楽で、しかも《想像界》だけのものです。つまらないと思います。

裸のラリーズの分析をお願いします。

http://www.youtube.com/watch?v=WMqwymVPZOU

Re: タイトルなし

蛇と牡牛様

> 裸のラリーズの分析をお願いします。

了解です。
私も高く評価するので、準備しています。

今、この記事を拝見して、コメントに
回答されてたことを知りました。
説明を聞いて納得するのではなくて
実際味わいなさい、というメッセージとして受け取りました。
古い記事なのでこのコメントを
ご覧になることはないかもしれませんが。ありがとうございます。


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New HIKOSAKA 彦坂尚嘉

Author:New HIKOSAKA 彦坂尚嘉
彦坂 尚嘉(ひこさか なおよし、1946年6月26日 - )は、 美術家。立教大学大学院特任教授。日本建築学会会員。日本ラカン協会会員。気体分子ギャラリーを主催。

【著書/出版】『反覆/新興芸術の位相』(74年、田畑書店)、『死に対抗する力』(91年、ギャラリーKURANUKI)、『リノメランコリア』(94年、岡部版画工房)、共著『リベーションの現場』(05年、彰国社)、共著『メディアと精神科医』(05年、批評社)。共著編『皇居美術館空想』(08年9月朝日新聞社)。『彦坂尚嘉のエクリチュール』(08年、三和書籍)、共著『3・11万葉集 復活の塔』(2012年、彩流社)

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