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《想像界》と絵画の状況 - 2012.04.29 Sun

下記の様なコメントを、KNUTH Yoshiさんからもらった。


私は国際展を拝見したことがありませんが、絵画が死んでいるということに関しては、
絵画がアマチュア作家にとって一番敷居が低いので、商業作品の差別化がしづらいと
言うことがあるかと思います。また、デジタル画像を絵画と見なした場合は文学同様
複製が無限大で可能なのでコストなしで作品をキッチュ化(量産化)してしまうという
事情があるためではないでしょうか。以上、新参者の思いつきでした。


           【続きは下記Read Moreをクリックしてください。】 ご本人も「私は国際展を拝見したことがありませんが(ママ)」と書いていいて、さらに最後には「以上、新参者の思いつきでした」で終わっているのですが、こういう思考のスタイルそのものの問題があります。

つまり「新参者の思いつき」というものが、指し示すのは、ラカンの言う《想像界》なのです。

つまり「先入観」と言われるもので、思い込みと空想で現実をとらえていて、そこで現実には当てはまらない判断をする。

それが初心者というものです。

面白いのは「絵画がアマチュア作家にとって一番敷居が低い」という指摘です。そもそもアマチュア作家という存在そのものが、現実には存在していても、基本は相手にされないということです。

つまり基準にならないのです。しかし立ち入って、「実際にはアマチュア画家がたくさん、日本にはいるではないか」というような話をすることも出来ますが、そういう議論も不毛なのです。議論にならないと思います。

現実の美術史を見れば、未熟で、凡庸な通俗アーティストが膨大にいて、その中に奇跡のような高度で専門的な優れた美術作品があるのです。

つまり、そうした高度で専門的な作品が重要なのであって、膨大な通俗美術を基準に論じることは、出来ないのです。

そうした凡庸な美術は分かりやすいので、人気はあるのですが、批評はいらないとされるのです。

「商業作品の差別化がしづらい」という認識そのものが、素人のものであって、半分は本質を突いていると誤読することも出来ますが、そもそも商業作品そのものを見てきていないだろうので、特に意味のある認識では無いと思います。

「デジタル画像を絵画と見なした場合」というような認識も、認識論的には、「見なし」というのは、2次的なものです。たとえば、「人間を石油と見なして換算すれば」という仮設的な比喩が、何を意味しているかです。

アンディ・ウォーホルのマリリンモンローのシルクスクリーンの作品も、「ペインティング」とは見なされていません。「ペインティング」と見なしてもよいですが、そう見なしても、事実が「ペインティング」になるわけではありません。

「デジタル画像を絵画と見なした場合は文学同様複製が無限大で可能なのでコストなしで作品をキッチュ化(量産化)してしまう」という言い方も、事実として無理があります。まず、インクジェットで出力するのは、非常に高額なのです。コストがかかります。たとえば1メートル四方で、3万円くらいかかります。そのれに伴う人件費も馬鹿になりません。

「文学同様複製が無限大で可能」というのも、《想像界》の空想に過ぎなくて、「複製が無限大で可能」というのは、現実の世界にはありえません。

「キッチュ化(量産化)」という言い方も、原理的には、駄目です。たとえば自動車のベンツは量産化されていますが、量産化されているからベンツはキッチュな車であるとは、言えません。

せっかくもらったコメントなのですが、以上にのように、なかなか議論がかみ合わないのです。

こうしたときにどうすれば良いのかというと、一冊本を決めて、読書会をしながら、議論をすることです。共通の書物があると、議論がかみ合うようになります。

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● COMMENT ●

ご返答ありがとうございます。
私の至らないところを具体的に指摘して頂いたので、大変勉強になります。

彦坂様の読書会に参加したいという気持ちは強いのですが、私自身北海道に住んでおりますので中々機会に恵まれないのが残念です。

今後もブログの方を拝読させて頂きたく思いますので宜しくお願い致します。


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New HIKOSAKA 彦坂尚嘉

Author:New HIKOSAKA 彦坂尚嘉
彦坂 尚嘉(ひこさか なおよし、1946年6月26日 - )は、 美術家。立教大学大学院特任教授。日本建築学会会員。日本ラカン協会会員。気体分子ギャラリーを主催。

【著書/出版】『反覆/新興芸術の位相』(74年、田畑書店)、『死に対抗する力』(91年、ギャラリーKURANUKI)、『リノメランコリア』(94年、岡部版画工房)、共著『リベーションの現場』(05年、彰国社)、共著『メディアと精神科医』(05年、批評社)。共著編『皇居美術館空想』(08年9月朝日新聞社)。『彦坂尚嘉のエクリチュール』(08年、三和書籍)、共著『3・11万葉集 復活の塔』(2012年、彩流社)

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