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《現実界》だけの人格の人々(3/4) - 2012.05.30 Wed

《現実界》だけの人格の人々(3/4)

 

 1916年にダダの作品が登場すると、《現実界》だけの作品が出現します。ダダの作品群です。代表的なのはデュシャンの男性小便器を使った『fountain/泉』です。

それ以外にもシュビッターズのメルツェの家などがあります。

m-fountain.jpg
デュシャンの男性小便器を使った『fountain(噴水)/邦訳「泉」は、《現実界》だけの作品

tumblr_lyvh74BEGk1qbq6ug.jpg
シュビッターズのメルツェの作品は《現実界》だけの美術


        【つづきは下記をクリックしてください。】



人類の美術作品の歴史の中で、《現実界》だけの単独作品の出現は、この時期が初めてです。

ジャック・ラカンが言う意味での《現実界》というのは、wikiでは次のようなものです。


フロイトの現実原則や、カントの命題"ein leerer Gegenstand ohne Begriff"(「掴み得ぬ空虚な対象」。独語)などから敷衍した概念で、空虚で無根拠な、決して人間が触れたり所有したりすることのできない世界の客体的現実を言う。

想像界にも象徴界にも属さない領域であり、例としてはトラウマや不安、現実における体験などで言及される。
ラカンによれば、現実とはけっして言語で語り得ないものであるが、同時に人間は現実を言語によって語るしかない、という一見逆説的なテーゼが成り立つ。
                                    情報出典:http://ja.wikipedia.org/wiki/現実界・象徴界・想像界

                                 
 彦坂尚嘉が使う《現実界》という言葉も、当初は、このラカンの用法や解釈、定義などを背景にしていたのですが、彦坂の言語判定法で、この言葉を現実に投げかけて測定していると、違う現実が見えてきました。

 さらに『美術の3万年』という大著を見ながら、人類の残した美術作品を言語判定法で芸術分析をしていくと、《現実界》そのものは、人類史の中では鎌倉美術の中で出現します。

 その代表は運慶とその系譜である慶派の彫刻にみられます。しかしその全部ではなくて、大半は《想像界》と《象徴界》だけの伝統的な仏像彫刻なのですが、例外的にと言えるほどに少ない名作に《想像界》《象徴界》《現実界》の3界を持つ彫刻があるのです。

木造金剛力士立像(国宝)

Kongorikishi_Kofukuji_1-2.jpg

Kongorikishi_Kofukuji_2-2.jpg

木造金剛力士立像(国宝)2

木造金剛力士立像(国宝)3

木造金剛力士立像(国宝)4


 この奈良の興福寺の国宝館にある木造金剛力士立像は、もともとは西金堂に安置されていた鎌倉時代の傑作です。

 大きさはそれほどなくて150㎝くらい、実物を見ると、そのこぢんまりした小ささに驚きます。

 それまでの伝統的な金剛力士像とは、決定的に違う次元になっていて、その恐ろしさというのは、鎌倉時代の武士の出現と、その暴力性の激しさを背景にして初めて作り得るもののように見えます。

 ここにある《現実界》の出現というのは、その暴力性ではありますが、この暴力性は、実はそれまでの文化の書き文字を軸にした貴族文化を否定する暴力性なのです。

 つまりそれは禅宗の《不立文字》という暴力性であって、その根底にあるのは《象徴界》の 全面否定なのです。その激しさが、この像には良く現れています。つまり経文という仏教の文字文化を、禅宗は、暴力で否定して、《現実界》を出現させたのです。

 つまり彦坂尚嘉の言語判定法で見ると、《現実界》というのは、《象徴界》の否定として出現するものなのです。

 禅宗の美術に中に出現してくる《現実界》というものは、《想像界》《象徴界》《現実界》という3界を持つ人間精神の出現であって、それは近代精神となるものの出現であったのです。

 日本の禅宗の美術が示すこのような《現実界》を持つ3界性は、中国から来たのだろうと推察はできるのですが、実際に中国美術の大著の画集を東京文化財研究所の蔵書であたったのですが、今のところ、中国美術の中に《現実界》の出現を見つけていません。

 

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デュシャン以降「新発想」のみでアートになりえる事になったと思います。私はそれを評価しています。


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New HIKOSAKA 彦坂尚嘉

Author:New HIKOSAKA 彦坂尚嘉
彦坂 尚嘉(ひこさか なおよし、1946年6月26日 - )は、 美術家。立教大学大学院特任教授。日本建築学会会員。日本ラカン協会会員。気体分子ギャラリーを主催。

【著書/出版】『反覆/新興芸術の位相』(74年、田畑書店)、『死に対抗する力』(91年、ギャラリーKURANUKI)、『リノメランコリア』(94年、岡部版画工房)、共著『リベーションの現場』(05年、彰国社)、共著『メディアと精神科医』(05年、批評社)。共著編『皇居美術館空想』(08年9月朝日新聞社)。『彦坂尚嘉のエクリチュール』(08年、三和書籍)、共著『3・11万葉集 復活の塔』(2012年、彩流社)

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