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名品の衰退と喪失/アートスタディーズ - 2012.07.07 Sat

名品の衰退と喪失/アートスタディーズ


 ロバート・メイプルソープや、シンディ・シャーマンの作品のように今日のニューヨーク近代美術館に展示されている名品には、性器がむき出しのものもあります。

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 とは言っても日本の荒木経惟のような猥褻性はありません。

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 猥褻性というのを別の言葉で言うと、《知覚の直接性》ですが、そういうものはアメリカ芸術の名品には無いのです。
 芸術鑑賞と人格は、密接に結びついています。荒木のような《知覚の直接性》に依拠する作品を作る人は下品です。

 《知覚の直接性》のない「名品」について会話する趣味判断は、良い人格を示します。

 しかしアメリカ上流階級の特権的な存在性を否定する人は、こうしたアメリカ芸術そのものを嫌悪するでしょう。

 ニューヨーク近代美術館が展示するシンディ・シャーマンの老女の作品と、荒木経惟の女性写真では、日本人のほとんどが荒木を良いとして、シンディ・シャーマンを排除するでしょう。日本人の多くはエロ写真を肯定して、芸術作品を排除するという傾向を示しているように、私には思えます。日本人の多くは、スポーツ新聞の猥褻記事を電車の中で公然と読むのを恥じない程度には、みな猥褻で、低俗な人格なのです。

 芸術なんか関係がない。エロ写真やスカトロ写真、死体写真を収集し、ロリコン漫画を読みふけり、悪趣味な《知覚の直接性》の快感にふける人は、猥褻性にこそ真実があると思っているのです。

 しかし猥褻な人格は「人間」ではありません。欲情した下等な動物に過ぎないものなのです。

 昔に日本は「人格」という言葉が生きていて、人格的成長とか、人格者であることが人生の一つの目的でありました。しかし今日では「人格」という言葉が忘れられて、変態性欲動物として生きる人だらけになっているのです。

 日本人は気が狂っています。人格の陶冶などは考えられないというのです。それが「芸術」の忘却につながっています。

 人間の精神の外面的傾向と、内面的な深みは、昔は統合されていたのですが、最近は気が狂って、外面性だけしか持たない人物に分裂してしまったようです。

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 それはヨーロッパの欧州連合の共通通貨のユーロに似ています。ユーロは二十三の国で使用されているが、それは経済の外面性だけであって、各国の政治経済統合はされていない。つまり内面性としての実体経済の統合をしないままに、外面だけの共通通貨を作ったために、最近の信用不安を生み出している。欧州は気が狂っているのです。
 
 日本の現代アートにも同様な現象はあって、デザイン性、イラスト性、工芸性、装飾性だけで美術作品が判断されて熱狂を生み出してきているのです。美術作品の内面性としての芸術はいらないとされるのです。新興衰退国としての日本は、急速に内面を失い縮小していきます。そこでは芸術としての「名品」は作られない。

私たちはこの名品の衰退や滅亡という事実を事実として認めるところから、再出発する必要があるのではないでしょうか。





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● COMMENT ●

例えば
女性器に男性器が入っている写真があるとします。(エロ写真)
女性器から赤ちゃんが出てきている写真があるとします(???)

同じ女性器の写真でしょうか???

今回の彦坂さんの記事の視点とは違います。(別件です。)
これを読む人への問題提起です。


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New HIKOSAKA 彦坂尚嘉

Author:New HIKOSAKA 彦坂尚嘉
彦坂 尚嘉(ひこさか なおよし、1946年6月26日 - )は、 美術家。立教大学大学院特任教授。日本建築学会会員。日本ラカン協会会員。気体分子ギャラリーを主催。

【著書/出版】『反覆/新興芸術の位相』(74年、田畑書店)、『死に対抗する力』(91年、ギャラリーKURANUKI)、『リノメランコリア』(94年、岡部版画工房)、共著『リベーションの現場』(05年、彰国社)、共著『メディアと精神科医』(05年、批評社)。共著編『皇居美術館空想』(08年9月朝日新聞社)。『彦坂尚嘉のエクリチュール』(08年、三和書籍)、共著『3・11万葉集 復活の塔』(2012年、彩流社)

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