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異端美術研究会2【運慶】 - 2012.08.27 Mon

木造金剛力士立像(国宝)2_2

 異端美術研究会2です。
 シンディ・シャーマンの次は、なんと運慶をやります。
 
 この飛躍に多くの人はついてこられないかもしれません。多くの人は飛躍や変化を嫌います。しかし彦坂尚嘉は重症の分裂病患者なのです。
 
 美術を愛する気持ちというものには、このような分裂病的な飛躍性があります。いろいろな美術があって、飛び石のように飛躍する感覚がおもしろいのです。
 
 運慶は鎌倉初期の彫刻家です。
 運慶は異端でしょうか?



【続きは下記Read Moreをクリックしてください。】
 
 運慶は天平白鳳の仏像からの流れをよく学んでいるのですが、全く違った言語に飛躍した異端性を持っているのです。ここで「言語」といったのは、私が「リテラシー(識字)」と言っているものです。コンピューター言語のように、新しい次元の言語が、人間の新しい精神活動として出現するのです。進化ですね。
 
 『30,000 Years of Art』という大判で厚い『美術の3万年』とも訳すべき大著で見ると、人類史の中で、《現実界》という精神構造=リテラシーが出現するのが、鎌倉時代の運慶が最初なのです。1200年の木造金剛力士立像(国宝、興福寺)です。

 これから234年後の1434年、フランドル人のヤン・ファン・エイクの 『アルノルフィーニ夫妻像』(ロンドンナショナルギャラリー)で、西欧美術の中に《現実界》が出現して美術は大きく変貌します。
 翌1435年フィレンツェ人のドナッテロのダヴィデ像(フィレンツェ・バルジェロ美術館)がそれに続きます。 
 
 この西欧の場合は科学精神の台頭です。正確には数学に基礎づけられた合理思想というリテラシーの出現です。 
 つまりヤン・ファン・エイクの絵画や、ドナテロの彫刻は、《想像界》《象徴界》《現実界》の3界をもった芸術なのです。この3界がそろうのが、ルネッサンスなのです。
 
 日本の運慶の場合には、禅の不立文字の思想と、武士という暴力集団の台頭との連動でした。
 
 西欧における出現よりも早くに日本の鎌倉時代の美術の中の一部に《想像界》《象徴界》《現実界》の3界が出現していることは、驚愕すべき事です。異端の美術と言わざるを得ません。
 
 上中下で言うと《下の下》の美術作品です。つまり天平白鳳の上品な仏像というものではなくて、鎌倉の下品すぎる下品な仏像彫刻に、新しい人間精神が出現したのです。

木造金剛力士立像(国宝)4_2

木造金剛力士立像(国宝)3_2

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● COMMENT ●

ボストン美術館展で見た、鎌倉時代の肖像彫刻は見る側と作品が向かい合って空間を共有しているというイリュージョンの感覚があり、そこまで時代順に仏像が並んでいた後で、彫像を取り巻く空間の意味のハッとされられる変容を確かに感じました。

最近見たベルリン美術館展でも、リーメンシュナイダーなどの中世彫刻のあとで、ベロッキオの半フリーズの肖像彫刻が出てきた時に同じような変化の感覚があったと思います。これは、アンドレ・マルローの言うように、作品の前提知識がカタログ的に頭に入っているから変化が際立って見えるということではなく、なにかが変化したと、その場で見たことの中で強く感じられるはずのものでしょう。

ところで、東西美術作品の様式的比較というと、私は真っ先に和辻哲郎のことを思い浮かべます。『風土』は気候の扱いに疑問を感じますが、モダニズム的な空間論・時間論を踏まえて建築などが批評されている点で、日本回帰というより、むしろ同時代の国際的な美術論争に肉薄している著作と感じます。『古寺巡礼』は日本美術の良さを全力で書いているにも関わらず、アジアとの文化連関に迫ったせいで軍部に目を付けられたということがありましたが、戦後の芸術論のディスクール中での和辻氏の影響力のなさというのは、覇権的な対抗意識も含めて、文化と実質的に論じることへの日本人の忌避感覚を端的にあらわしていると思います。


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プロフィール

New HIKOSAKA 彦坂尚嘉

Author:New HIKOSAKA 彦坂尚嘉
彦坂 尚嘉(ひこさか なおよし、1946年6月26日 - )は、 美術家。立教大学大学院特任教授。日本建築学会会員。日本ラカン協会会員。気体分子ギャラリーを主催。

【著書/出版】『反覆/新興芸術の位相』(74年、田畑書店)、『死に対抗する力』(91年、ギャラリーKURANUKI)、『リノメランコリア』(94年、岡部版画工房)、共著『リベーションの現場』(05年、彰国社)、共著『メディアと精神科医』(05年、批評社)。共著編『皇居美術館空想』(08年9月朝日新聞社)。『彦坂尚嘉のエクリチュール』(08年、三和書籍)、共著『3・11万葉集 復活の塔』(2012年、彩流社)

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