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社会というもの - 2012.10.13 Sat



■社会というもの■

普通の日本語にある「1流」というものは、人間の文明社会を成立させている抑制性と言えます。それは小津安二郎の映画のように、決して下品なものを見せない世界です。小津の映画では、殴り合いも、人殺しも、セックスシーンもないのです。小津は生前にまわりの人に、「あいくちは見せるな」と繰り返し話しています。

こうした性格は、実は18世紀の以降のモダンアートの高級芸術の態度でもありました。文化を、高級な理性的な抑制性のあるものと、下品な野蛮な自然状態に分離して、低級なものを抑圧し、切り捨てようとしたのです。



        【続きは下記Read Moreをクリックしてください。】

小津の下にいたのが、今村昌平という映画監督で、彼は小津の思想に反発して、日本の現実と、事実を事実として直視する映画を撮り始めます。第一作が日本の炭坑の石炭産業が崩壊していく状況を描いた『にあんちゃん』で、私は小学校の時に見て、深く感動します。以後、私は今村昌平の映画を追いかけて見ていくようになります。そこには方言の強い日本が描かれ、近親相姦、売春、強姦、殺人、新興宗教、ヤクザ、組合運動等々が、下品な下層の人々の姿と生活の描写の中で描かれていくのです。

こういう1960年代の今村昌平の映画の運動は、1968年に象徴される近代という時代の沸騰化と、終焉に向かうものの一つであったのです。この時代、美術手帖でも繰り返し《近代の終焉》が語られます。

決して下品なものを見せない社会の「1流」の下には、抑圧された現実世界が、下品な姿で広がっているのです。下品なものを隠すことは大切ですが、事実を事実として直視しないで、まるでなかったように隠しても、現実は、破綻として出現してくるのです。

だからといって、下品なものこそが芸術であるという短絡も間違っています。この区別をきちんと語らなくなった日本の現状は、ローマ帝国末期のような退廃状況に見えます。今日の状況に対しては、小津も有効性はないし、今村昌平も、もはや有効では無いのです。今日の現実と、芸術を捉えるには、いかなる方法があるのか、それが今、語られなければなりません。
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New HIKOSAKA 彦坂尚嘉

Author:New HIKOSAKA 彦坂尚嘉
彦坂 尚嘉(ひこさか なおよし、1946年6月26日 - )は、 美術家。立教大学大学院特任教授。日本建築学会会員。日本ラカン協会会員。気体分子ギャラリーを主催。

【著書/出版】『反覆/新興芸術の位相』(74年、田畑書店)、『死に対抗する力』(91年、ギャラリーKURANUKI)、『リノメランコリア』(94年、岡部版画工房)、共著『リベーションの現場』(05年、彰国社)、共著『メディアと精神科医』(05年、批評社)。共著編『皇居美術館空想』(08年9月朝日新聞社)。『彦坂尚嘉のエクリチュール』(08年、三和書籍)、共著『3・11万葉集 復活の塔』(2012年、彩流社)

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