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苦しいまでに色彩を抑制された映画2本 - 2011.09.04 Sun

The Book of Eli(邦題『ザ・ウォーカー』)

滅びた世界を旅する男(ウォーカー)イーライがいた。彼は、30年間もアメリカを西に歩き続けている。目的地は何処なのか、彼にもわからない。ただ、「本を西へ運べ。」という心の声に導かれるままに歩き続ける。

『goingwest.jpg/西へ行く』という絵はポロックの初期にあって、名作です。

goingwest.jpg

映画そのものは、核戦争後の荒廃した世界を描いたもので『マッドマックス2』の影響下にあるものです、日本で言えば『北斗の拳』の別バージョンというものですが、一応《原芸術》《芸術》《反芸術》《非芸術》《無芸術》という芸術映画になっています。ここで取り上げたのは、その苦しいまでに抑制した色調のすごさです。映画は《超次元》から《第6400次元》まである、凄みのあるハイアートの映画です。



一方、とある本を探し続ける独裁者の男カーネギーがいた。彼は、地球が滅びたことを良いことに理想の町を作ろうと企てていた。
そして、イーライはカーネギーが仕切る町に立ち寄る。カーネギーは探していた本をイーライが持っていることに気づき奪おうと企てる。
イーライが運ぶ本の内容とは?そして、執拗なまでにその本を求めるカーネギーの目的とは…?


話そのものは、本の重要性、しかも聖書の重要性を描いた本で、まあ、その話の持っていきどころの救心性の強さにヘキヘキとしながらも、けっこう感銘を受けた通俗芸術映画でした。

もう一本、苦しいまでに色調を押さえ込んだ映画です。

Sweeney Todd: The Demon Barber of Fleet Street(『スウィーニー・トッド /フリート街の悪魔の理髪師』)

ティム・バートン監督が映画化した作品。

このところ凡作が続いていて、見る気が無くなっていたがティム・バートン監督が放つ大傑作で、何よりも画像の美しさ、特にその抑制された色調は絶賛ものであります。しかもミュージカルで美しく、しかも怖い! これはすばらしい今日の《真性の芸術》です。この映画も《超次元》から《第6400次元》まである《真性の芸術》映画です。



興味深いのは「スウィーニー・トッド」という都市伝説の殺人犯です。

スウィーニー・トッド、は19世紀中頃の様々なイギリスの怪奇小説に登場する架空の連続殺人者=悪役の理髪師。

共犯者であるラベット夫人が死体を解体して、その肉をミートパイに混ぜて焼き上げ、何も知らない客に売りさばく。



もう一本おまけに、冒頭の部分が、抑制された色調で特に印象的であった映画が『 In the Name of the King: A Dungeon Siege Tale)』邦題『デス・リベンジ』です。この映画も《超次元》から《第6400次元》までがありますが、これは《真性の芸術》映画ではなくて、通俗映画で大衆映画です








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● COMMENT ●

彦坂様 

「ザ・ウォーカー」はシネマレビューサイトでの平均評価は10点満点中、5.73点とかなり低く、興行としては失敗に終わった作品でした。以前紹介されていた「プレデターズ」も、平均評価は5.49点でさらに悪く、映画ファンの間では完全に駄作として扱われています。このような作品を芸術という観点から再評価されている記事は非常に面白いです。

彦坂さんは北野武の映画はご覧になられた事がありますか?私は北野監督の初期作品である「3-4X10月」「あの夏、いちばん静かな海」「ソナチネ」を芸術映画として高く評価しています。今回の記事のテーマでもある「抑制された色調」というモノが、この3作品には際立っています(俗に「キタノブルー」と称されています)しかし逆に言えば、それは刺激が無く退屈なものであるため、上記の作品はどれも興行的には失敗に終わりました。特に海外から高い評価を受けた「ソナチネ」は、日本での興行収入が8千万円で制作費の5分の1以下の結果に終わり、1週間で上映が打ち切られる映画館もあったそうです(ちなみに「ソナチネ」が上映された93年当時にヒットした邦画は「ゴジラvsモスラ」「REX 恐竜物語」「水の旅人 侍KIDS」などです)

Re: タイトルなし

negaDEATH 様

> 「ザ・ウォーカー」はシネマレビューサイトでの平均評価は10点満点中、5.73点とかなり低く、興行としては失敗に終わった作品でした。以前紹介されていた「プレデターズ」も、平均評価は5.49点でさらに悪く、映画ファンの間では完全に駄作として扱われています。このような作品を芸術という観点から再評価されている記事は非常に面白いです。

興行的に失敗した事は、私にも予想出来ます。
「ザ・ウォーカー」は、見るのも苦しい程の抑制であり、しかもその基本にあるのはキリスト教の信仰としてのバイブルの存在、つまりバイブルというのは神そのものです。言葉が神なので、そういう事なのですが、日本の観客の多くが、バイブルを読んだ事も無いのですから、つまらなくしか思えないのは当然です。

「プレデターズ」も、たいへん奇麗な映画ですが、日本の観客が求めるものはキッチュであり、低俗映画なのに、ここにあるのは低俗なフリをした高級映画なのでした。そのことが最高に面白いのに、それを鑑賞する力は、日本人の教養の低さでは無理なのです。


> 彦坂さんは北野武の映画はご覧になられた事がありますか?

最初の『この男凶暴につき』からHANA-BIまで、全て見ていて、評価は高いです。

> 私は北野監督の初期作品である「3-4X10月」「あの夏、いちばん静かな海」「ソナチネ」を芸術映画として高く評価しています。

私も「3-4X10月」はすばらしいと絶賛致します。

>今回の記事のテーマでもある「抑制された色調」というモノが、この3作品には際立っています(俗に「キタノブルー」と称されています)しかし逆に言えば、それは刺激が無く退屈なものであるため、上記の作品はどれも興行的には失敗に終わりました。特に海外から高い評価を受けた「ソナチネ」は、日本での興行収入が8千万円で制作費の5分の1以下の結果に終わり、1週間で上映が打ち切られる映画館もあったそうです(ちなみに「ソナチネ」が上映された93年当時にヒットした邦画は「ゴジラvsモスラ」「REX 恐竜物語」「水の旅人 侍KIDS」などです)

ヨーロッパの観客の教養の高さが、日本には無いのです。
私は『HANA-BI』も美しい「キタノブルー」であったと思います。


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New HIKOSAKA 彦坂尚嘉

Author:New HIKOSAKA 彦坂尚嘉
彦坂 尚嘉(ひこさか なおよし、1946年6月26日 - )は、 美術家。立教大学大学院特任教授。日本建築学会会員。日本ラカン協会会員。気体分子ギャラリーを主催。

【著書/出版】『反覆/新興芸術の位相』(74年、田畑書店)、『死に対抗する力』(91年、ギャラリーKURANUKI)、『リノメランコリア』(94年、岡部版画工房)、共著『リベーションの現場』(05年、彰国社)、共著『メディアと精神科医』(05年、批評社)。共著編『皇居美術館空想』(08年9月朝日新聞社)。『彦坂尚嘉のエクリチュール』(08年、三和書籍)、共著『3・11万葉集 復活の塔』(2012年、彩流社)

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