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 - 2013.02.15 Fri

彦坂尚嘉 PWP8(森)1978年


私の作品で1978年に美術手帖の表紙になった作品です。これは教科書に掲載されました。それはまだ忘れられていなくて、今も京都造形芸術大学の通信教育部「芸術史講義」の書籍教材に掲載許可を求められています。

しかし私のこうした作品・・・ウッドペインティングが正統に認められたという意識は、実は私は受けていません。多くの人が「彦坂さんの作品は難しいわね」と言います。《ヘビー・アート》であったので、多くの人の理解を得るためには《ライト-アート》の制作が必要であったのですが、ようやく今になってそのことが理解できるようになりました。

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彦坂尚嘉のデビュー作品であるフロアイベントという作品は、少しは認める人もいました。例えば富井玲子さんという美術史家ですが、しかし彼女と知り合った最初の段階で、このウッドペインティングは駄目だという発言を、私に対して私的にですがなさっています。ところが先日の『日本美術オーラル・ヒストリー・アーカイブ』のインタビューを3回に渡って美術史家の足立元氏とともに富井氏がなさった時には違ったのです。

私の説明はこうでした。彦坂尚嘉という作家はロバート・モリスのミニマリズムの衝撃から始まって、ミニマリズムの後追い作家になるのではなくて、ミニマリズムをその内側から打ち破ろうとした。ミニマリズムというのは、受精していない単細胞の卵子に還元していく思考形態です。一つの単細胞の卵子が受精して2つに分裂し4つに分裂するように、このミニマリズムの単体の作品を、分割だけで新しい複雑性の美術に展開しようと彦坂尚嘉はしたのです。

こう説明すると富井氏は「はじめてウッドペインティングが、分かった」と言ったのです。これは私には衝撃的でした。何故に衝撃かと言えば、他人には理解されないという断念から生きてきていたので、「分かった」と言われると、私の立つ基盤が崩れたのです。「分かった」と言われるとうれしいのですね。崩れてみると、他者の理解を求め、他者にシェアしてもらう努力は必要なのだという考えに変わりました。

ポスト・ミニマリズムというのは、同時に近代主義の否定なのですが、日本では近代の終焉そのものが、美術雑誌でも批評家でも曖昧なのです。例えば美学者の谷川渥先生は、近代と言う時代は終わらないで継続しているという立場でおられると、私は理解しています。私は、そうは考えません。1975年と、1991年の2回の終焉を経て、《近代》という時代は終わって、新しい次元が始まっているのです。それを日本人は理解しないから、衰弱していくのです。

ミニマリズムの終焉がどのように可能なのか? 芸術制作の内部理論としては語られてこなかった。他人をあてにしても仕方が無いので、私は私で、他人の同意を求めないで、自分の芸術分析を進め、研究と理論化をしてきました。つまり批評家や理論家があまりにも私にとってはいなかったので、自分で批評家や理論家になるしか無かった。

さて、そういう分けで、ささやかな教材に過ぎないのですが、彦坂尚嘉のウッドペインティングが、今も評価そして生き残っている。

何故に、この作品が生き残っているかというと、この作品は1978年と言う時代なのですが、《高温プラズマ》化していたのです。

1995年に美術手帖の表紙として出現する奈良美智の《ライト-アート》が、低温プラズマであったのに比較すれば、彦坂尚嘉の新しさは圧倒的だったのです。

だから美術手帖編集部は評価して表紙に採用してくれて、さらに故・中原祐介氏は評価してくれました。それが1983年の西武美術館での『木との対話』展になります。さらに文化庁の在外研修員としてアメリカに留学することになります。

しかし彦坂尚嘉にとっては、この時期に自分の父親が実の父では無くて、誰の男の子供であるかも知り得ない私生児であると言うことを、自分で行っていた精神分析で知ったのです。それは深くて大きな人格崩壊を引き起こしました。この人格崩壊から立ち直るのに長時間が費やされます。それは自分一人で戦う精神と心理の戦争でした。

人間は、自分の運命を自分の責任として引き受けていくしかありません。本当の意味での理解者、そんなものがあるのかどうかは疑問ですが、それは結局自分自身であって、自分で自分の人格と作品を理解することが重要なのです。というわけで、ようやく自分の作品の新しさを “批評”として理解した私は、再度少数の人々とのシェアを求めて、高温プラズマ化したウッドペインティングを再度展開して行きたいと思います。

新しい時代の作品を、あくまでも最後の息を引き取る瞬間まで、諦めないで制作し続けること。実現できないかもしれませんが、希望としては、息を引き取る瞬間まで鉛筆の10Bで良いから、線を書き続けて、10万点制作に最後まで挑み続けることをしたいと思います。私の生きる目的は、その程度のささやかな目標なのです。

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りかい>ようやく自分の作品の新しさを “批評”として理解した私は~


アーティストとは自分の「その作品」がどのような人物にどのような評価をされ、どのような影響を与えるか位は理解していてほしいものですね。


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New HIKOSAKA 彦坂尚嘉

Author:New HIKOSAKA 彦坂尚嘉
彦坂 尚嘉(ひこさか なおよし、1946年6月26日 - )は、 美術家。立教大学大学院特任教授。日本建築学会会員。日本ラカン協会会員。気体分子ギャラリーを主催。

【著書/出版】『反覆/新興芸術の位相』(74年、田畑書店)、『死に対抗する力』(91年、ギャラリーKURANUKI)、『リノメランコリア』(94年、岡部版画工房)、共著『リベーションの現場』(05年、彰国社)、共著『メディアと精神科医』(05年、批評社)。共著編『皇居美術館空想』(08年9月朝日新聞社)。『彦坂尚嘉のエクリチュール』(08年、三和書籍)、共著『3・11万葉集 復活の塔』(2012年、彩流社)

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