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ピカソの様態変化 - 2013.03.16 Sat

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《様態》という言葉は、日常用語で言えば「状態」ということです。「状態」ということの変化が見過ごされてきているようにおもわれるので、私は重要だという主張です。

self portrait 1972


中国の上海に行くと、現代的な構造建築が建ち、モダンデザイン的なるものがあふれています。だから現代社会になっているのかと思うと、違います。《ニセの現代》なのです。

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「状態」という視点で上海を見ると、封建社会のままであって、そこに生きている政治家でも現代美術家でも、現代的なものを表面的には模倣しているけれども、精神も社会組織も、江戸時代のような封建的なものなのです。

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こういうふうに《様態》という視点で社会や人間の人格、そして音楽や美術作品を見ると、違ったものが見えます。それは常識とは違う眼差しなので、多くの人には嫌われるかもしれませんし、理解されないかもしれません。

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具体例をあげると、たとえば1980年代の東京の画廊シーンを代表するK画廊のオーナーは、渥美清主演の『男はつらいよ』シリーズ全48作をすべて見ていました。1996年8月4日にK画廊に行ったらそのHさんが泣いているので、話を聞いたら渥美清が亡くなったというのです。そして「私は『男はつらいよ』シリーズ全48作をすべて見た」というのです。

IMG_1099 Pablo PICASSO Musketeer child 1972

『男はつらいよ』の第一作は1969年8月に上映されていますが、この時期多摩美術大学にはバリケードが築かれていて、私はバリケードの内側に「暴力学生」として住んでいましたが、喜劇の好きな私は映画館に行ってこの第一作目の『男はつらいよ』を見て笑い転げていました。しかし映画館に行ってみたのはこれだけで、テレビで映されているのを見たことはありますが、恥ずかしくて、見ていられませんでした。つまり私は第一作だけで卒業してしまったのです。

482.jpg

このK画廊のHさんは、口も肥えているのですが、これと決めたものは同じものを食べ続けて変えません。この「変えない」という固定化が重要です。美術評論家の故・針生一郎も、「わかば」という煙草を吸い続けていました。いわゆる「旧3級品」と呼ばれる製品のひとつで、1966年以来のロングセラーで、現在も販売が続いている定番タバコです。このような変化を嫌って定番品に趣味思考を固定する傾向を持っている人の精神が《固体》という様態です。ですから食べ物の保守性や、着ているものの保守性から、《固体》の人は特定することができます。

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《固体》というのは、水というH2Oが凍って、氷(こおり)という固体になっている状態です。こういう《固体》の精神状態の人は意思が強くて、方針を固定したまま変えません。大衆ブランド品でいうと「無印良品」です。音楽で言えば「演歌」です。氷川きよしは2000年に「箱根八里の半次郎」でデビューしますが、この歌手は非常にすぐれていて私も高く評価しますが、しかし《固体》音楽です。演歌だけではなくて、クラシック音楽も多くは《固体》音楽であって、ドッビッシーあたりから、氷が溶けて水という液体になった《液体》音楽に変わりますが、それ以前のほとんど全部のクラシック音楽は固体音楽です。

っっM

様態変化ですので、液体でああっても、温度が下がれば再び氷って《固体》に戻りますので、たとえば現代アートで言えば会田誠は《固体》美術です。アメリカのアーティストのジョン・カリンも《固体》絵画です。1950年代に出現するリトル・リチャードのロックンロールは《気体》音楽ですが、それの温度をさげて固体に戻すと、ブルース・スプリングスティーンのロックの迫力になります。固体化した1980年代に登場するスラッシュ・メタルのメガデスの音楽は、《高温プラズマ》ですが、このラウドロックと言われるタイプの音楽の温度を下げて《固体》に戻すと、仮面をかぶって演奏するスリップノットの音楽になります。スリップノットは人気がありますが《固体》という凍った氷に退化した音楽なのです。

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日本社会というのは、『水戸黄門』や『大岡越前』というような定番の《固体》のテレビドラマが好きで、大量の《固体》性を残していますが、しかし《液体》も《気体》も《プラズマ》もあって、様態的には多様性のある社会です。たとえば奈良美智の絵は《低温プラズマ》ですし、安室奈美恵の歌は《高温プラズマ》です。私の殴り描きの10万点シリーズのドローイングやペインティングも様態的には《高温プラズマ》であって、最近はさらに《超・高温プラズマ》であるものを作っています。

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ピカソの晩年のペインティングは、子供の絵のようなひどい殴り描きですが、様態的には《高温プラズマ》化しています。いつから《高温プラズマ》になってかをニューヨーク近代美術館の回顧展の2冊本のカタログで探すと、1972年から《高温プラズマ》化しています。さらにさかのぼると、1963年から《低温プラズマ》化しています。さらに振り返ると、1954年から《気体》化しています。その前のものは《液体》美術です。ピカソが《液体》美術になるのは、パリに出てきた1900年です。それ以前のものは《固体》美術です。

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つまりピカソは《様態変化》をして作品を展開してきているのです。《固体》→《液体》→《気体》→《低温プラズマ》→《高温プラズマ》という風に進化する様態変化をしてきている。こういうという《様態変化》そのものは、人間の文明社会の様態の変化なのです。

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 中国社会のように《固体》に、ほぼ均質に固定して、表面的だけを模倣して現代化を進めると、矛盾はしだいに大きくなっていきます。それが今日では一年間に75万人の公害による肺癌死者を産みだし続けるという異常な社会になって、しかもさらに悪化に向かっているのです。同じ事は、日本の美術大学の古さや、アーティストの多くの古さと、その退廃と衰弱にも言えます。

私の立場は、芸術やアートを成立させる要素は8項目以上ある多様なものであることを認めた上で、《様態》という、今まで見過ごされてきたものを重視します。最近の私の10万点シリーズは、何よりも《超・高温プラズマ》化していることを追い求めます。その結果として、ずいぶんと ”ひどいもの” になっているとは思いますが、《様態》の進化を重視する価値観から見れば、評価できるものなのです。社会を説得できるとは思っていませんが、一人のアーティストとしては探究の価値を自負しています。20130316
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● COMMENT ●

>しかもさらに悪化に向かっているのです。


人は経験により成長するものだと思います。

Re: タイトルなし

99様

> >しかもさらに悪化に向かっているのです。
>
> 人は経験により成長するものだと思います。

私が長年観察してきたことによると、《第6次元 自然領域》の単層人格の人は、経験をもとに成長することはしません。経験が蓄積されないのです。それが《第6次元 自然領域》というものです。

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このコメントは管理人のみ閲覧できます

Re: タイトルなし

あるつ 様

引用なさっている言葉は、非常に有名なもので、私も知っています。しかしこれは詐術です。なぜに詐術に過ぎないかというのは、他のアーティストの言葉も読んでいただけると分かると思います。美術家は沢山の文章を書いてきています。



> ピカソはこう言っています。
> 「誰もが芸術を理解したがっている。ではなぜ鳥の歌を理解しようとしないのだろう?
> 夜や花を完全に理解しようともせず、愛するのか?しかし、問題が一枚の絵に
> なると、人はそれを「理解しなければならぬ」と考える。」
> こうも言っています「絵の話になると、まるでミニスカートを論じているようだ。
> 明日は長くなるのかしら?緑飾りでものつけるのかしら?まだ見た事がないものが必要になる
> 見た事がないものを探していると結局ズボンのひだをつけたミニを至る所で見るようになる」
>
> ピカソはキュビズムを完成させたのに、こんな素朴な事を言っている事にハッとさせられました。
> ピカソは鳥の歌を理解するべきだと言ってるわけではなく
> 鳥の歌を自然と聴くように絵画を見ればいいじゃん?と言ってるのだと思います。
> 本当はそれが芸術の在り方なんだと思います。


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New HIKOSAKA 彦坂尚嘉

Author:New HIKOSAKA 彦坂尚嘉
彦坂 尚嘉(ひこさか なおよし、1946年6月26日 - )は、 美術家。立教大学大学院特任教授。日本建築学会会員。日本ラカン協会会員。気体分子ギャラリーを主催。

【著書/出版】『反覆/新興芸術の位相』(74年、田畑書店)、『死に対抗する力』(91年、ギャラリーKURANUKI)、『リノメランコリア』(94年、岡部版画工房)、共著『リベーションの現場』(05年、彰国社)、共著『メディアと精神科医』(05年、批評社)。共著編『皇居美術館空想』(08年9月朝日新聞社)。『彦坂尚嘉のエクリチュール』(08年、三和書籍)、共著『3・11万葉集 復活の塔』(2012年、彩流社)

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